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花粉症のお薬「シダキュア」を服用の方へのご注意

「花粉症舌下免疫療法」というアレルギー治療が増えてきています。この治療では、「シダキュア」というお薬が使用されますが、歯科治療中に重篤な副作用が発生する可能性があるとの報告があります。

 

「シダキュア」とは、スギの花粉症の治療に使用される薬剤で、スギ花粉を原料とするエキスから作られます。体を徐々に慣らしていくことで、スギ花粉によるアレルギー症状を緩和することを目的としています。

 

この薬剤は舌の上に置くとすぐに溶け、その後は舌の上にのせたまま1分ほど待ってから飲み込みます。アレルギー症状がなくなった後でも、長期間(1〜3年)毎日服用が必要です。

 

シダキュアの副作用には、口の中のむくみ、口内炎、口腔内のかゆみ、のどの刺激感や痛みなど、お口の中に反応が現れることがあります。お口の中の副作用は、発現頻度が5%以上と言われています。

 

歯科治療を受ける際にシダキュアを服用している場合、特に抜歯などの外科処置を行う際は注意が必要です。傷口からお薬の成分が入り込むと、アナフィラキシー症状を引き起こす可能性があるためです。
アナフィラキシー症状には、皮膚のかゆみや嘔吐、下痢などがあり、重篤な場合には咽頭が腫れ、気道が狭くなり呼吸困難や意識の混濁などが起こることがあります。特に奥歯の抜歯を行うと腫れることが多く、矯正器具が舌に当たり腫れたケースもあるとされています。
製薬会社が2021年に発行したシダキュアの手引書には、「投与可否の判断が必要な場合」の中に「抜歯後等口腔内の術後又は口腔内に傷や炎症等があるとき」と記されています。

 

お子様が服用する場合

シダキュアは5歳以上から服用可能ですが、子供の方が大人よりも抜歯後のアナフィラキシー症状が発生しやすいとされています。また、口腔内に傷や炎症がある場合には特に注意が必要です。
歯の生え変わりが始まる4歳頃から歯科医に相談することをお勧めします。製薬会社が作成したシダキュアの手引書には、「歯が生え変わる時には、医師に事前に相談することが望ましい」とも書かれています。
服用中に歯科治療を受ける際には、必ず歯科医に服用中である旨を伝えてください。治療が安全かつスムーズに進むよう、内科医との連携が必要となる場合もあります。

 

海外の文献には、舌下免疫療法中は抜歯や口腔内に侵襲のある手術を禁止しているものがありますが、国内外ともまだ明確な基準に達していないようです。
歯科治療が終了してから投薬を開始するように勧める病院もあります。シダキュアを服用されている方は、歯科医に必ず服用中である旨を伝えてください。
安心して治療を進めるためには、内科医との連携が必要な場合もあります。
必要に応じて服薬を中止することもありますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

 
 
また、日本小児歯科学会からも下記のような見解が出ております。ご参考ください。
 
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article23/